4)変わり者
こんにちは、アユムです。
はじめましての方はまずこちらをご覧になってください。
https://ayumu-no-ayumi.hatenablog.com/entry/2020/08/30/162855
こちらは前回の記事の続きになります。
「お前は変わり者やなぁ」
上司によく言われた言葉です。
いろんな部署の研修を受け、技術部に配属された僕は精神疾患のことなんてさっぱり忘れ、早く仕事を覚えることでいっぱいでした。
2年程続けて飲んでいた胃の薬もいつの間にか飲まなくなっていました。
ずっと悩まされていた吐き気を感じなくなった僕は無敵状態みたいな感じになっており、仕事をするのが楽しかったのです。
「アユム、この仕事やってみるか?」
と聞かれたら
「はい!喜んで!」
と返事していました。
みんなが嫌がるような事を喜んでやっていたので、上司からはいい意味で変わり者扱いされていました。
そんな僕を評価してくださったのか、自分で言うのも何ですが多くの人に可愛がってもらいました。
大きい会社とはいえ、本社は300人程度だったのでほとんどの人の顔は覚えられる規模の会社です。
技術部や現場だけでなく、営業、生産技術などといった他部署とも仕事をしていくうちに、人との繋がりが広がっていきました。
いい人が多い会社で、アットホームな雰囲気だったので僕はすごく居心地がよかったのです。
会社のバイク部に入ったり、労働組合のイベントに参加したり、同期と飲みに行ったり、先輩にスノーボードを教えてもらったり。
仕事以外でも会社の人と会ったりすることは僕は嫌ではなく、むしろ好きな方でした。
けど辛かった面もあります。
人手不足だったのか、わからないことがあっても先輩や上司に聞く機会が少なく、自分でもがいて解決策を見出だしていたこともありました。
また、図面の期限が迫っていたり、現場や営業、その他多くの部署とやり取りをする時に板挟みに悩まされた時はマウスを壁にぶん投げたい気持ちになっていました。
しかし着々と仕事を覚えていくうちに、大きな仕事を任されるようになりました。
新しい商品の開発です。
僕はこれはチャンスだと思い、必死に取り組みました。
うまくいかなかったり、帰るのが遅くなることも多々ありました。
試作を繰り返し、問題点が出て来て現場に頭を下げてまた試作をしてもらい…
そして社会人2年目の始めに遂に量産体制が整いました。
辛かったこともありましたが、自分に任されたプロジェクトをこなすことができ、自分が設計した物が世の中を支えていくというのがものすごく嬉しく、充実感がありました。
成し遂げた自分を誇りに思っていました。
上司はそんな自分を2年目とは思えない仕事だと言うことで、しっかり評価してくれました。
給料やボーナスがあがり、このまま突き進むぞという勢いでした。
しかし、忘れていた頃に背後からナイフで刺されるかのように精神疾患が再び現れたのです。